2人で並んで歩く帰り道。
いつぶりだろうと思った。
少なくとも幸也が怪我をする前もしばらく一緒に帰っていない。
だからなんだか新鮮で………
あの頃は2人で並んで帰っても、胸が苦しくてマイナスな感情ばかりだった。
でも、今は………
隣に幸也がいるだけで胸が高鳴る。
もっとそばにいたいと欲がでてしまう。
幸也を見ると、向こうも私の視線に気づいたようでこちらを向いた。
「なんか、昔に戻った気分だな。」
幸也はそう言って笑顔をみせる。
「そうだね。
思い返せば笑ってた記憶しかないや。」
幸也といるとずっと笑顔でいれたし、楽しいことばかりだったな。
今は昔とは少し違う。
楽しい、以外の新しい感情がどんどん芽生えてくるんだ。



