夢じゃ、ないんだよね……?
全部嘘なんかじゃないんだよね………?
その後も少しの間、私たちはそのままの状態で話し続けた。
中学の時の2人の想いを打ち明けたり、高校のことも、全部話すたび見事に食い違ってて、驚いたり笑ったり………
でも、今の私たちがいるのは
「樹先輩と、千波ちゃんがね………私の背中を押してくれたの。」
2人だけじゃない、周りに支えられたから。
こんなゴタゴタした関係だったのに、バスケ部のみんな誰も嫌なことを言わずに見守ってくれた。
私の周りはいつだって、本当に恵まれてたんだ。
「そうだな……この恩はちゃんとバスケで返さないと。」
「じゃあ早く怪我を治すところからだね。」
「うん、だから俺のそばにいてほしい。」
まっすぐ私を見つめる幸也と目を合わせてしまい、もうそらせそうにない。



