「なぁ、今のは全部本心?
嘘じゃないよな?」
そんなの……
「本当だよ。
自分にも、幸也にも、周りにも嘘つくのはもうやめるって決めたの。」
少し私の頭の後ろに置いていた手の力が緩んだから顔を上げると………
幸也も私を見た。
その近い距離に、息をするのも忘れてしまう。
「どうしよう、にやける。
嬉しすぎてやばい。」
幸也はそう言って私と額を合わせた。
嬉しい、ってことは少しは期待してもいいの………?
「なんかさっきまで結構落ち込んでたしショックで悔しかったけど……
全部吹き飛んだ。
俺、美晴がずっとそばにいてくれたらなんでも真っ直ぐ頑張れそうな気がする。」
幸也から視線が感じるけど、あまりに近くて私は目を合わせられない。
涙はおさまったけと、目はまだ潤んでいるため、視界の端がまだ少しぼやけていた。
幸也の言葉が、頭の中で繰り返される。
私がそばにいたら、幸也は頑張れる?
それって……
「………俺も、美晴が好きだよ。
っていうか、俺の方が絶対好き。」
私が聞き返す前に、幸也はそう言った。
付き合ってる時に言われた【好き】は私を安心させるためだと思ってた。
だけど今のは……
全部本当だと思えて、でも逆に幸也が好きと言ったのが信じられない自分がいた。
「ほ、本当……?」
幸也は本当に、私が好きなの……?



