優しい君は今日も嘘をつく




樹先輩が冗談を言ってるようには見えなかった。


その言葉がすべて本当なら、樹先輩は私のこと………?



泣きそうになった。
今までの樹先輩とのことを思い出す。


どれだけ樹先輩に助けられたか。


でも私が頼れば頼るほど、樹先輩を傷つけて………



「………っ。」


ここで泣いたらいけない気がして、どこか切なげに笑ってる樹先輩に失礼な気がして、


「………すいません、私、行きますね。」


涙をこらえ、私はもう一度幸也の病室へと目指す。


振り返るな。


私はもうここで、諦めたら2人の思いを無駄にすることになる。


自分の気持ちより私を優先して、背中を押してくれた2人。


私は何をためらっていたんだろう。


答えは、1つしかないのに………。