ーー家に着き、ガチャリとドアを開ける。 中からはおばあちゃんが 「お帰り。」と優しく声をかけてくれた。 ………あの後、私は幸也に嫌な思いはしてほしくなかったら、なるべく明るく振る舞った。 私なりに頑張ったと思う。 トントン、と階段を登り部屋に荷物を置いた後、下へと降りる。 そしてリビングとつながっている隣の部屋に行き、ある仏壇の前へ座った。 「ただいま……お母さん、お父さん。」 そう呟き、手を合わせて目を閉じる。