優しい君は今日も嘘をつく




声のした方を向くと、そこには千波ちゃんが立っていた。


どうやら私と樹先輩がいなくて戻ってきたらしい。


「千波ちゃん……」


「いいこと教えてあげる。
私、片想いだから。


幸也くんと、1度も付き合ってないよ。」



………え……?


今、なんて……?


「全部、美晴ちゃんの勝手な思い込み。
2人とも、おかしいよ。


怖いくらいお互いに執着してるのに、こんなすれ違って………。


それにね、私たちは何も気づかなかった。
さっきの幸也くん見て、いつも通りで安心したんだよ?


だけど美晴ちゃんは幸也くんの変化に気づいた。この意味、わかるよね?」


千波ちゃんの表情を見て、胸が痛んだ。


幸也がとても好きという気持ちが痛いほど伝わってきたから。


けど、それでも私だって…………



「ほら、美晴ちゃん早く行くべき。


………俺が唯一好きになった女に、こんなことで後悔してほしくない。


ちゃんと思ってること話して、今度こそ向き合えよ?」


「………え……」
「ほら、早く。」


樹先輩の言葉を理解しかけた時、樹先輩は笑って私を軽く押した。