優しい君は今日も嘘をつく




「………幸也が……」
「幸也?」


樹先輩は私の言葉を聞いて、反応を示す。


「いつもと、違うくて……大好きなバスケができなくなって、本当は苦しいはずなのに……


きっと、無理してたんです……。」


「………美晴ちゃん……。」


一瞬苦しげな表情になる樹先輩。


そのあと……


「じゃあ、行ってあげなよ。
幸也のところ。」


と言われた。


「………え……?」


「美晴ちゃんはさ、いつまで逃げるつもりなの?


幸也はもう向き合ってるよ。
その気持ちに応えてないのは美晴ちゃんなんだよ?」


樹先輩の口調は柔らかかったが、表情は真剣だった。


だけど………


「幸也には、千波ちゃんが……」


「行きなよ、美晴ちゃん。」


そう返そうとした時、誰かが私の言葉を制した。