優しい君は今日も嘘をつく




そして顧問はもう一度体育館を後にし、キャプテンは呆然とその場に突っ立っていた。


明らかに様子がおかしく、練習を中断し2年中心にキャプテンの元へと駆け寄る。



「顧問になんて言われたんだ?」



真っ先にキャプテンに聞いたのは樹先輩だった。


そこでようやく反応を示し、キャプテンは私たちの方を向いて………



「朝、学校に向かってる途中で、幸也が…………


交通事故に巻き込まれたって。」




その瞬間、全ての音がシャットダウンされ、無音の世界が広がった。



今、キャプテンはなんて……?



険しい表情から軽傷ではないようだし、もしそうなら幸也はここにいるはずで………


心臓が嫌な音を立て、嫌な汗が流れる。


そしたらもう体に力が入らず、その場に崩れ落ちる。


「………美晴ちゃん!?」


そこでようやく何も聞こえなくなったはずの耳に、梨花先輩の声が聞こえた。


梨花先輩は私の隣に来てしゃがんだ。