優しい君は今日も嘘をつく




とりあえず私は椅子へと降ろされる。


「………っ、」


座るなり、幸也に足を持ち上げられ痛みが走り、声が出そうになるのを必死でこらえた。


「ちょっと痛いの我慢してて。」


幸也は至って冷静で、私の靴下をなるべく痛まないようにと器用に脱がす。


靴下が脱がされ、露わになった足は赤く腫れていた。


「………これのどこが、大丈夫なんだよ…。」


また、呆れる幸也。


そんなにひどかったのかな……。


「とりあえず湿布貼ってテーピングで固定するか。」


幸也は立ち上がり、テーピングと湿布を探して持ってきてくれた。


「わざわざごめんね。
あとは自分でやるから……!」


「………無理。
俺がやるから大人しくしてて。」


無理って………。


だけど、優しくされればされるほど胸が締め付けられるように苦しくなる。


ねぇ、ただのチームメイトなら……友達、なら………



そんなに優しくしないでよ。


じゃないと忘れたくても忘れられない。


幸也が好きだっていう気持ちが
いつまでも私の心の中に残ったままになるんだ……。