優しい君は今日も嘘をつく




「し、失礼します……」


何故かかしこまってしまい、恐る恐る幸也に体を預ける。


だけど緊張のあまり、変に体に力が入ってしまうのが自分でもわかった。




「力、抜いていいから。」


それが幸也にも伝わったのか、少し笑いながらそう言われた。


途端に恥ずかしくなる。


鼓動が速くなる。



………幸い、保健室の近くはお店がなかったため、あまり人に見られずに保健室に着くことができた。



中に入ると……


「今、不在中……?
タイミング悪いな。」


という幸也の声がした。


どうやら先生はいないみたいで、中は静かだった。