抱きかかえるって……お姫様抱っこってこと……!?
それだけは絶対無理だった。
恥ずかしいし視線浴びるし、それこそ誤解が広まってしまう。
だからつて背負われるなんて……
「答えないなら、美晴が嫌そうな方するから。」
嫌そうな方って……。
なんか今日の幸也、おかしい。
おかしいっていうより、少し怒ってる……?
なんていうか意地悪な感じがする。
それより嫌そうな方って言ったら絶対お姫様抱っこだよね……!
「じゃ、じゃあ背負ってもらいます………。」
思わず敬語になってしまう。
「りょうかい。」
と幸也は言って階段を降り、私の前に止まって、少し屈み背中を向けた。



