優しい君は今日も嘘をつく





「あ、いや……意外と押せ押せなんだね。」
「男扱いに慣れてるのか。じゃあお願いしようかな。」


………はい?


それってもしかして私に言ってる?


「そんなことないですよ。
あ、じゃあ梨花先輩の横に並んでくださいね。」


って名前を言ってもわからないか、なんて思っていたら………


梨花先輩が突然笑い出した。


「あはは……!
待って美晴ちゃん面白すぎ!


この人たちは美晴ちゃんと撮りたいんだよ?」


笑いながら私に説明する梨花先輩。


私と、撮りたい……?


え!?
この人たちは私と撮りたいの!?


驚きのあまり顔を上げ、1人の男の人と目を合わせると不自然にそらされる。


その頬はほんのり赤く染まっている気が…………。


「ほら、私が撮ってあげるから2人の真ん中行っといで。」


「………は、はい。」


戸惑いながらも私は2人の間に入り、作り笑いをして写真を撮るつもりが逆に撮られてしまった。