選手のみんなが一度給水のために端のベンチに集まる。


その時に次こそは幸也にボトルを渡そうと思ったけど………


やっぱり千波ちゃんの方が早く幸也へと駆け寄る。


………あ、まただ。


こういう時、意地でも行けばいいもの一歩引いてしまうのはなんでだろう?


彼女ヅラをしないことが幸也のためだから?


…………ううん、そうじゃない。


ただ、勇気が出ないだけ。
何故なら私たちは本物の恋人ではなくて………


私が幸也を縛りつけて離さないだけの、ただの片想いだから………。