優しい君は今日も嘘をつく




「………美晴?」


不自然で、気になったから名前を呼んでみる。


すると美晴は視線を合わさないまま
「あ、足は大丈夫なの……?」と言った。


正直、痛くないといえば嘘になる。


だけど、痛いと言って心配してほしいわけでもないから


「冷やしたりしてるから大丈夫。」と返した。


そしたらやっと美晴が顔を上げ、俺の方を向いた。


「………嘘つき。」


まさかそんなことを言われるとは思っていなくて驚いた俺。


「夜の練習、昼の時よりなるべく足を痛めないような動きに変わってた。


昼もご飯作っててあまり見てなかったからわからないけど、みんなと同じ休憩時間しか冷やしてなかったんじゃない……?」



………全部、美晴には気づかれていた。


周りは気づいていた様子はなかったし、俺自身練習中は痛みを忘れていた。


だけど……


無意識のうちに痛む足を庇っていたのか。


確かに練習の合間の休憩では痛みは酷かったけど………


それも上手く隠せていたつもりなのに。