「幸也、無理しすぎちゃダメだよ?」
練習前。
美晴にそんなことを言われた。
心配してくれてる。
それだけでも十分嬉しかった。
そして、練習が始まると不思議と痛みが忘れられた。
体も最近軽い。
それはオフの日に美晴と話してから、ずっと。
こうも単純で、美晴のことで部活にも影響するのは良くないってわかってるけど……
今更自分で自分をコントロールするのは難しいのだ。
「一旦休憩入りまーす!」
練習が行われる中、笛の音が鳴り平野がそう言った。
マネージャーは平野しかいなくて、美晴と梨花さんはその場にはいなかった。
先輩曰く、ご飯を作っているらしい。
どうやらこの合宿でしんどいのは選手だけはないみたいだ。



