優しい君は今日も嘘をつく




それなのに俺は怪我のせいで全力でバスケができない。


本当に何をやってるんだ俺は。


これじゃあ樹さんに勝つどころか後ろから追ってくるやつらに抜かれてしまう。


俺に余裕なんてなかった。


たとえこのチームで1番上手いと言われても、隣を見れば樹さんがいる。


それに他の学校を見たら俺より上手いやつなんか山ほどいるんだ。


こんなんで満足できるはずがなかった。


まだ、足りない。
もっと上手くなって存在感を示したい。


バスケのことになるとこうも欲深くなるのは何故だろうか。