平野にバレていたとは思っていなかった。
だとしたら、現時点で俺はどれだけ平野を傷つけてしまったんだろう。
「………ごめん。
最低だよな、俺。
夏休み明けたらちゃんとみんなに誤解とくよ。だから平野も俺を忘れた方がいい。」
それなら今のうちに、ちゃんとはっきりしといた方がいい。
これ以上自分勝手な俺のせいで、平野まで傷つけるなんてことはしたくないから。
「そんなの無理だよ……!
いいよ、誤解とかなくて。
忘れるつもりもないし、私だって幸也くんが好きなの!」
だけど平野はそれでもなお諦めてくれない。
こんな真っ直ぐ想ってくれてるのに、俺の心にはいつだって美晴の存在しかないんだ………。



