優しい君は今日も嘘をつく





「美晴、心配して走ってきてくれたんだ?」


………美晴。


そう名前を呼ばれたのも久しぶりで、それだけで涙がでそうになる。


今だって私は、幸也が好きなのだと改めて思い知らされる。


「だって………これ以上悪化されたら困るし…………


幸也が人一倍頑張ってるから余計にそう思うから……。」


って何言ってんだ私。
こんなの私が言うことじゃないよね。


「ほ、ほら!
あとレギュラーなんだし!


幸也はエース的存在なんだから……!」


2年ということもあり、今は樹先輩がエースだが上手さはどちらも同じぐらいだ。


だからエースが2人いると言っても過言ではない。