優しい君は今日も嘘をつく





そしたら突然笑い出す幸也。


ますます頭が混乱してくる。
なんで、笑ってなんか……


「もしかして昨日1人で歩けてなかったから心配してくれたのか?」


まだ少し笑みを浮かべながらそう言う幸也。



その笑顔は私にだけに向けられていて、久しぶりに見る幸也の笑顔に胸が高鳴る。


と、同時に痛みも感じた。


「そうだよ。
でも、今歩いてるから……!」


「歩けなかったのは痛かったからで、あの時だけだよ。


帰りだって俺、普通に自転車乗って帰れたし。」


え……そうなの?


「じゃあ今は普通に歩けるの?」
「そんなの当たり前だろ。今病院行ってきたばっかだし。」


そう言われ、私は安心した。


良かった………。