優しい君は今日も嘘をつく




「美晴ちゃん、行かなくていいの?」


そんなことを思っていたら、また梨花先輩に話しかけられる。


行くって、どこに……?


幸也の元?
そんなの、行くわけない。


っていうか、行けるわけないよ………。



「はい、幸也には千波ちゃんがいるんで。」
私はあえて笑顔を取り繕う。


だけど梨花先輩はそんな私を切なげに見つめてきて……


「いいの?このままで。」


と言ってきた。



このままでいいかって?


そんなの、嫌だけど………私が選んだ道だから今更どうこうできるわけがない。


「何言ってるんですか。
私にはもう関係ないんで。」


私はそう言って梨花先輩から逃げるようにして視線をそらした………。