私たちも駆けつけるとそこには……
「………っ。」
幸也が、足首付近を抑えて崩れ落ちていた。
「………幸也くん!?」
私が幸也の名前を呼ぶ前に、千波ちゃんが幸也の名前を呼んだ。
いつのまにか幸也のことを名前呼びになっていた千波ちゃん。
急いで幸也の方に駆け寄る。
幸也はまだ練習を開始したばかりというのに、異常なほど汗もかいている。
痛みを………我慢しているからだろうか。
「どういう状況なの、これ?」
梨花先輩が落ち着いた声で1人の選手に話しかける。
「それが………練習が再開してすぐに幸也が顔を歪めたと思ったらこんな風になって………」
選手も驚いた顔をしていた。
「じゃあ今怪我したわけじゃないの?」
「多分、そうだと思います…。」
今、した怪我じゃない?
じゃあどうして………と、疑問に思う。



