「樹先輩と美晴ちゃん………本当にラブラブなんですね!」
するとさっきまで落ち込み気味だった千波ちゃんが間に入ってきた。
「………そうだよ、ラブラブ。
けどそっちもだろ?」
樹先輩が逆に千波ちゃんに質問した。
………聞きたくない。
素直にそう思った。
私は聞くのが嫌になり、千波ちゃんの顔が見えないように軽く俯く。
「………まぁ、そうですかね?」
千波ちゃんは幸せオーラを隠すためなのか、曖昧に返していた。
ダメだ、気にしちゃ。
幸也のことは早く忘れないといけないのに…………。
そんな時。
突然コートの方からざわっと騒がしい声が聞こえてきた。
その声に私たちはコートの中を見ると………
みんながコートの真ん中で誰かを囲っていた。
どうしたんだろう……?
練習が再開されたばかりなのに。



