優しい君は今日も嘘をつく





「え、待ってそれ本気?」


途端に梨花先輩の顔が曇る。


「はい……。」


「それは、やばいね。
今年はいつも以上に部員が多いのに……。


なにかできることは?」


「ま、混ぜることくらいですかね?」


千波ちゃんは申し訳なさそうにしている。



「それじゃほとんどなにもできないじゃない。
………ちなみに美晴ちゃん、は?」


恐る恐る私に聞く梨花先輩。


そんなの……
「私は料理できます。」


できるに決まってる。


だって両親がいない今、全部おばあちゃんに任せるわけにはいかないから。


自分で作ることも多々あるし……。


「そう、なら良かった……。


こうなったらマネージャーの仕事は千波ちゃんに任せて、私たちは序盤から料理しかないわね。」


「うう………すいません……。
美晴ちゃん、私の分もお願いします……。」


「あ、うん。
気にしないで大丈夫だから……。」


別に料理は嫌いじゃないし。