優しい君は今日も嘘をつく




そしたら急に現実に引き戻された感覚に陥り、私は俯き幸也の胸元を押した。


幸也は離れ、私と少し距離ができる。



なんで………?
なんでこんなことしたの?



疑問が頭に浮かび、同時にまた涙がでてくる。


誰にでもこういうことができるの?


そんなに私から別れを切り出されるのが嫌だった?悔しかった?


じゃあ………


どうすれば、幸也は傷つかずに終われてた?



「もう………これっきりで終わろう。」



私はそれだけ言い残し、幸也の返事を聞く前に立ち上がってその場を去る。


これでいいんだよね。


あとは幸也が好きなようにしてくれれば、それでいいから………



どうか、千波ちゃんと仲良くやっていけますように。


願いたくもないことを無理矢理願い、私は家へと目指した………。