優しい君は今日も嘘をつく





「今までごめんね、幸也………」


私はもう一度、笑って彼を見ようとした。



だけどそうなる前に
頭の後ろに手をまわされ………




強引に唇を塞がれる。



いきなりのことで何が起こったのか、理解するのに時間を要した。


いきなりのことで驚きつつ、少しずつ角度を変えて繰り返されるキスに、頭がぼうっとしてきた。


こんな幸也、初めてだ………。


怒りをぶつけられてるのかどうかはわからなかったけど、嫌だとは思わない。


次第に力が抜けていく。



幸也は今、何を思ってるの?
どうしてこんなこと………



その時、私の脳裏に千波ちゃんと幸也がキスしていたのが浮かんだ。