優しい君は今日も嘘をつく





「はい、大丈夫です。」


なんて言ってみるけれど、視界が涙で歪み今にも溢れ出しそうだ。


「………やっぱり、来て良かった。」
「え?」


「校舎から2人が外歩いてるの見えたから、様子見に来たんだけど……


正解だった。
ほら、もう泣いていいんだよ?」


樹先輩はたまたまそこを通ったわけじゃなかったんだ。


わざわざ心配して来てくれたんだ。


「美晴ちゃんはさ、いつまで無理するつもりなの?もう………俺の前では泣けばいいよ。」


その優しい笑顔を見ると、もう限界だった。