優しい君は今日も嘘をつく





「でももう安心して?
幸也を縛るのはやめることにしたから。」


少し余裕そうに笑ってみせるけど、余裕なんて一切ないし本当はこのまま泣いてしまいたい。


早く1人になりたい。


「………最低……。
なんであんたなんかに野村くんが……!」


「幸也が優しいからね。
千波ちゃんも一緒にいてわかるでしょ?


いつも周り優先。」


そんな性格だから私のそばにいてくれて、私は幸也を傷つけた。


「ひどいよ……!
野村くんがどれだけあんたのこと………」


「美晴ちゃん。」



千波ちゃんが何かを言いかけた時、突然近くで私の名前を呼ぶ男の人の声が聞こえてきた。