美晴の方を見ると、切なげに笑った顔が見えたかと思えば………


その後は、一瞬だった。


美晴は近づいてきて、背伸びをし、そのまま俺にキスをした。


何が起こったのかわからなくて固まる俺から離れ、俺を見上げる美晴。


その瞳は揺れていて、悲しげだった。


「美晴……?」


「幸也…………、また明日ね。
バイバイ。」


悲しげに笑い、俺から背を向ける。


そんな美晴を、俺は呼び止めることができなかった。


今、何があった……?


あまりにも急な出来事に、頭が追いつかない。


確かにあれが嘘じゃないのなら、美晴は確かに俺に………


キスをした。




なぁ美晴。
今のに何の意味があるんだ?


何を考えている………?


キスされた後にあんな悲しげに笑われたら、真意がわからない。


ただ、好きだから、という行動ではないのだということだけは確かだった……。