そしたら突然美晴が分かれ道で立ち止まった。


「………ここでいいよ。
送ってくれてありがとう。」


ここから先は方向が違うのだ。


「いいよ、ついでだし危ないし送る。」
「ううん、本当に大丈夫だから!」


美晴はまた笑顔をみせる。


「何言ってるんだよ。
ほら、行こう。」


俺は美晴の家へまた歩き出そうとしたら………


「………幸也。」


と、美晴が俺の名前を呼んだ。


その声は少し震えているようにも感じて、思わず立ち止まる。