優しい君は今日も嘘をつく




あまりにも突然のことに、状況が理解できず頭の中が真っ白になる。


そしてようやく理解するなり俺は急いで平野から離れた。


「何して……」


「野村くんが悪いんだよ?
変に、優しくするから………」


そう言って笑う平野はやっぱり苦しげで。


俺は何をやっているんだと思った。


完璧に突き放さず、心配してしまう。
結果的にそれが余計傷つけてしまうのだ。


それは平野に限らず、美晴だって………


同じかもしれない。


じゃあ俺はどうすればいい?
どうすれば1番平野を………


美晴を傷つけなくて済むんだよ。


考えたって答えの出ない自分が余計に腹が立つ。


「……悪いけど、俺のことは諦めてくれ。」


その怒りのせいで少し言い方がきつくなりながらも、俺はそう言い残し教室を出る。



「何してんだよ、俺…………。」



教室を出た後に、さっきの自分が


いや、今までの自分がバカみたいで惨めになる。



俺の行動が平野も傷つけた。



俺って人を傷つけるために生きてんのかなって思うほど。


また、自己嫌悪に陥りながら


俺は1人、静かに家へと帰った………。