優しい君は今日も嘘をつく





「ねぇ、好きになるより好きになられた方が楽だと思わない?


私が好きでいいからさ、野村くん私を選んでよ。」


あまりにもストレートすぎるその告白に、俺はどう断ったらいいかと悩んだ。


ここで受け入れても、断っても結果的に平野を傷つけてしまう。


平野も傷つくことをわかって俺にそう言ったのだ。


相当の勇気がいったはず。


だから余計に断り方ひとつで悩んでしまう俺。


だけど何も言わないなんてたちが悪いから、ごめんと言おうとしたその時…



「今は、返事いらないから!」


と言われ、俺の言葉を制される。


「今はどうなるかわかってるから。
私の気持ち知っててもらうだけでいい。


だから今は部活仲間として、接してくれたら嬉しい。


ずるいのはわかってるけど、こうするしかないから。」


平野はそう言って泣きそうになる顔で無理矢理笑顔を作り、立ち上がった。