「美晴ちゃん?
どうし………」


急に立ち止まった私を見て、樹先輩もあの光景が目に入ったのだろう。


一緒になって行動を停止した。


動きたくても動けなかった。


今すぐにでも、視界に映る2人から逃げ出したかったのに………


すると突然、樹先輩に腕を引かれ体が傾いたため、慌てて一歩前に足を出す。


そこでようやく金縛りから解放されたような感覚になった。


樹先輩は私の腕を掴んだまま歩き出した。


お互い何も話さない。


職員室につくなり樹先輩が鍵を返してくれ、その間ぼーっと窓の外を眺める。