「今日はありがとうございました。」
樹先輩自身の勉強もあるはずなのに、私の勉強を見てくれたのだ。
感謝しかない。
「いいよ、またいつでも言っておいで。
俺は明日でも構わないけどね。」
「そ、そんな……!
悪いです!」
さすがに明日は自分でしようと思った。
そして私たちが図書室の利用が最後で鍵閉めを頼まれていたので、2人で職員室にその鍵を返しに行く。
職員室に行くため、私たちは1年の階を通らなければならなかった。
それが、不運だったと思う。
1年の廊下を通っていて、幸也のクラスの前を通りかけた時、ちらっとドアの窓から中を見てしまったのもいけなかった。
そして私はその光景を見た瞬間………
思わず金縛りにあったかのように体が固まってしまう。



