優しい君は今日も嘘をつく




「………まぁ、そこまで焦らなくていいんじゃない?


準備期間って必要だからね。」


俺が必要になったらいつでも言ってきな、と樹先輩は付け加える。


その言葉に私は………


「ありがとう、ございます……。」


素直に甘えてしまったんだ。




「よしっ、じゃあまた勉強始めよっか。」


樹先輩は笑顔でそう言って、視線を私からノートへと移した。


そしてその後も樹先輩に勉強を教えてもらい、気づけば最終下校時刻になっていた。