「そうくるのか………。」
ぼそっと何かをつぶやいた樹先輩だったけど、私は聞き取れなかった。
「なんて言いましたか?」
「いや………彼女作らないのは、好きな女ができなかったからだよ。」
「一度もないんですか?」
「初恋はまあ一応あるけど、結構前かなぁ。」
「意外ですね!
中学の時は女遊び激しいのかなって勝手にイメージしてました。」
思ったことを口にすると樹先輩が苦笑した。
「そんなイメージ持たれてたんだ、俺。
中学の時はバスケ一筋だったから。」
バスケに夢中のバスケバカだったんだよって付け加えて言う樹先輩。
そうだったんだ………。



