パレット



「まああっずー人気だしなあ〜。


前みたいには話せないのかあ」



少しぼやきながら職員室をノックする。



美術室の鍵を取りに来るのは私たちの役割だ。



「失礼しま〜す!!


美術室の鍵を取りに来ました〜!!」



大声で言うとなぜか後ろから返事が帰って来た。



「相変わらずうるせえな真白」



「お!ヨシ〜!!」



ヨシは私の幼馴染でお腹の頃からの付き合いだ。



ただの陸上バカなのにモテる。



私には全く理解できないんだけどね。



「そういや昨日お母さんがヨシのこと見たって〜!!背高くなったねえって言ってたよ」



「ついこないだご飯食べに行ただろ。」


「まあお母さんあほだからねえ」


「血受け継いでるもんな、真白」


「はい??それって私がバカって言いたい??」



「バカなんて言ってません〜!アホって言ったんです〜」


「どっちにしろ一緒でしょ!!陸上バカのあんたにだけは言われたくないね!!」


「あ?表でるか??」


「やれるもんならやってみれば??私には美香とあっずーがいるからね!!」


「はいは〜い。吾妻先生が通りますよ〜!」


「あっずー!!」


噂をすればご本人登場だ。


あっずーは少しニヤッと笑って



「あっずーじゃないでしょ。吾妻先生。

あと、俺喧嘩は嫌だなあ」


少し真面目な顔して言っているのがおかしくて吹き出してしまう。


「というか、ましろん鍵取りに来たんでしょ??堀田めっちゃ暑いって言いまくってたぞ。」


後ろを振り向くと美香が凄まじい形相で立っていた。


「あ、やば」


そう言って美香の元に行こうとすると



「ほれ、ましろんこれ!

鍵取りに来たんでしょ。持っていかないでどうするの。」