――――「息をしてるのがやっと、って感じだな。」



わたしの前に、一人の男が現れた。



「……あなた、誰?」


無意識に上着のポケットに入ってある小爆弾に、手が伸びる。


「答えてもいいけど、お願いだからそのポケットの中のモノは投げないでくれよ? ……どうせ、入ってるんだろ?」

「っ……!」



この男、気づいてる。

ポケットの中に爆弾があることに……。


今の、ほんの一瞬で……。