わたしが初めて触れた爆弾というのがそれ。


兄が父から誕生日プレゼントとしてもらった、爆弾とも呼び難いようなほんの小さな手榴弾。


初めてそれを手にしたとき、自分の中で何とも言い難い高揚感が自分を襲った。

血が沸き立つような、胸が大きく波打つような。


ただ一瞬の興奮だったけれども、確かにそれはわたしにとって『快楽』の一部であった。



わたしは兄の手榴弾を自分の部屋へ持ち帰った。

そして鍵のついた宝箱入れへ、その手榴弾を仕舞った。