わたしはわりと、裕福な家で生まれた。 周りが飢餓や生活に苦しむ中、わたし達一家だけは悠々と暮らしていた。 そう。 ノクターン家と言えば、ここら一帯誰もが知る御曹司一家だった。 上にいる兄が2人と、下に弟が1人。 男として生まれた彼らは、家宝のように大切に大切にされてきた。 わたしはそんな家にいる唯一の女子供。 『不要物』であった。