男はそう言うなり、わたしの腕を掴んでそのまま走り出した。 爆弾しか入ってない大きすぎるリュックは、わたしを引く手とは逆方の肩に、男が背負っている。 手を引かれるのは癪だけど、後ろからはパトカーの音が聞こえてきていて、捕まったらやばいことはわたしだって分かる。 溢れそうになるいくつもの文句を飲み込んで、わたしは男の少し後ろを走った。 「…………あ。」 と、その瞬間、男が足を緩めて振り向く。