「椎名くんって絶対、愛の事好きだよね」


「詩織!何言ってるの!??

そんなわけないじゃない!

私がどれだけ椎名くんに塩対応で

返してるか知ってるでしょ」


「まあ、愛はコミュ障だし

塩対応になるのも分かるけど

愛が私に話すように心を許したら絶対

モテると思うんだけどな」


「無理だよ。私のコミュ障は絶対治らない!」



そんな簡単にコミュ障が治ったら苦労してないよ。

だから一軍女子とか椎名くんみたいな男子は苦手!


ちなみに私が心を許してるのは

詩織と秋さんと中山さんと叔父様と

亡くなったお父さんとお母さんぐらい。

お父さんとお母さんが亡くなる前は

比較的大丈夫だったんだけど

おじさんとおばさんに引き取られた時から

顔色を伺うような生活をしてたから

コミュ障になってしまった。

なんども治そうとは思ったけど

簡単には治らなかった。



「椎名くんと付き合う気はないの?」


「は?何言ってるの!??


椎名くんと付き合うとか

不倫になっちゃうじゃん!」


「不倫?なに?愛ってば

まさか結婚してるの?」



と詩織は笑いながら言う。


しまったー!!

結婚してることは秘密にしなきゃ!



「い、いや!違うよ!

椎名くんと付き合うってのは

不倫ぐらい気が重いってこと!」


「付き合うことを不倫に例えるとか

どんなけ結婚願望あるのよ」


「あー!もう!いいでしょ!

結婚願望ぐらいあるわよ!

女の子なんだから!」


「なんか愛変わったね」


「へ?」



私が変わった?どこが?



「なんか、人間らしくなった!」


「はぁ?もともと人間なんだけど!

詩織の目には

人間に写ってなかったってこと!?」


「うーん、そういうのじゃなくて

つまりこっちの方がいいって事!」



詩織の言ってることは

よく分からないけど私変わったのか…


それってやっぱり秋さんの影響かな。