中山さんに送ってもらい、

私は無事に学校へ着くことができた。


もちろんこの高校にとって結婚とは
校則違反だ。


でも叔父様と理事長が高校時代からの

友達らしいので特別に認める事にしたそうだ。


中山さんには視界に入らない場所で

降ろしてもらい

そこからは歩いていった。


さすがに学校でリムジンで来たら

騒がれるだろうし。


私の席は窓側の1番後ろ



「愛ー!」



背後から声が聞こえる。

この声は詩織だ。



「どうしたの?元気ないじゃん。

なんかあった?」



少しの異変を察してくれる親友に

嘘をつくのはとても心が痛い。


詩織、ごめんね。

卒業したら秋さんの事ちゃんと話すから。



「ううん。大丈夫だよ!

実は最近引っ越して

バス通学にしたから朝起きるのが辛くて…」


「え!引っ越したの!??

っていうかおばさん達の許可は得たの?」


「ま、一応。認めてくれたよ」



詩織は唯一私の家庭環境を

理解してくれてる友達でもある。



「良かったじゃん!

っていうか今度新居に招待してよ!」



家に招待するのはさすがにまずい。

あんな豪邸に住んでるってばれたら

結婚の事バレそうだし。



「ごめん、引っ越してきたばっかだから

荷物片付いてなくて。

落ち着いたらまた遊びに来てね!」


「そっかー。分かった。また今度招待してね」