「あ、痛かったか?悪い。俺、そういうのすぐやっちゃう人でさ、いつもみんなに言われるんだよ。」
ちょっと不安そうに俯く彼の姿を見て、私は精一杯の力を出した。
「あなたは、悪くないから!私が、勝手に…泣いただけだから!心配しないで!」
涙〜、引っ込んで〜。
これ以上泣いたら、やばい。
「あ、だったらいいけど…。あと、朝はごめんな。」
「ううん、そんなことない。こっちこそごめんね。」
「おう。」
あれ、もう行っちゃうの…。
奥へ行ってしまう背中を見ると、悲しい。
「まって!私、ここあ!あ、あなたは…?」
自分から出た言葉にびっくりする。
自分から男の子に話しかけるなんて…!
ありえない!!
「俺、しゅう。じゃ、またな。」
振り向いた彼の顔を、傾きかけている日が照らす。
「うん、またね…」
しゅう、しゅうくん、、。
また、会えるといいな。

