仕事も落ち着いた夕方。
繁忙期でなければ、きっちり定時に帰る社員もいる。
だけど周りの目が気になってそんな度胸もない私は、早めに仕事が終わってもだいたい2,30分残業をして帰る。
残っている仕事なんてたいしたものじゃない。
今日やった仕事の総確認くらいなものだ。
時計に目を遣り、そろそろ切り上げようかとパソコンを切った時、靴音がこちらに近づいてきた。
顔をあげると、スーツ姿の男性が私のそばで足を止めた。
「高野明里さんですね」
「はい、そうですが…」
彼は上から糸につられているように姿勢を正し、黒縁のメガネをかけている。
いかにも固そうなその姿にたじろいだけど、彼は私が返事をすると柔和な笑顔を作った。
「副社長の第一秘書の黒岩と申します。副社長がお呼びですので一緒に来てください」
「は、はい」
秘書…?
言われるがまま彼の後ろをついていくけど、見慣れない人だからか社員たちの視線が気になる。
せっかちなわけじゃないんだろうけど、この人も副社長並みに背が高く、足が長いせいか歩くのが早い。
途中で私が彼に合わせて少し早足になっていることに気づいたんだろう。
こちらを見て少し歩調を緩めてくれた。
繁忙期でなければ、きっちり定時に帰る社員もいる。
だけど周りの目が気になってそんな度胸もない私は、早めに仕事が終わってもだいたい2,30分残業をして帰る。
残っている仕事なんてたいしたものじゃない。
今日やった仕事の総確認くらいなものだ。
時計に目を遣り、そろそろ切り上げようかとパソコンを切った時、靴音がこちらに近づいてきた。
顔をあげると、スーツ姿の男性が私のそばで足を止めた。
「高野明里さんですね」
「はい、そうですが…」
彼は上から糸につられているように姿勢を正し、黒縁のメガネをかけている。
いかにも固そうなその姿にたじろいだけど、彼は私が返事をすると柔和な笑顔を作った。
「副社長の第一秘書の黒岩と申します。副社長がお呼びですので一緒に来てください」
「は、はい」
秘書…?
言われるがまま彼の後ろをついていくけど、見慣れない人だからか社員たちの視線が気になる。
せっかちなわけじゃないんだろうけど、この人も副社長並みに背が高く、足が長いせいか歩くのが早い。
途中で私が彼に合わせて少し早足になっていることに気づいたんだろう。
こちらを見て少し歩調を緩めてくれた。


