副社長の一目惚れフィアンセ

翌日、何事もなかったように朝は来て、何事もなかったように仕事は始まった。

「ちょっと明里!プロポーズの話どうなったのよ」

コピーをとっていたら香澄がきて脇をつっついた。

「うーん、どうなんだろうね」

私は曖昧に笑うしかない。

プロポーズをされてそれを受けた。

それは確かだけど、あまりにも話のスケールが大きすぎて、一晩経った今もまだ咀嚼しきれていない。

やっぱりそうとう長い夢なのかもしれないし…

普段使わないような部分の脳を使って疲れたんだろうか。

妙にだるくて、給湯室で濃いめのコーヒーを注ぎ、その苦みで気合を入れ直した。

それを繰り返すこと数回。

苦みにしびれた舌は、お昼の社食でうどんを食べても全く味がしなかった。