「君のことも聞かせてほしい」
副社長は少し顔を傾けて微笑む。
何を話せばいいんだろう…
なんだか見合いみたいだと思いながら、手を膝に乗せて背筋を伸ばし、言葉を探した。
「高野明里です。4月5日生まれで、24歳。
えっと、私も母子家庭で育ちました。両親は小学生の時に離婚しています。
A大外国語学部出身で、実家は平塚です」
どうでもいいことまで言っちゃったかな。
すぐに恥ずかしくなったけど、副社長は頬杖をついて2,3度頷いた。
「そうか。お母様は今も平塚に?」
「はい」
「一度出張で行ったことがある。密集した住宅街がカラフルで、海外みたいだよな」
「ふふっ私も初めてみた時は異国に来たのかと思いました」
「あ」
短く言葉を切った彼が口を開いたまま固まって、失礼なことを言ったかと即座に不安が押し寄せる。
だけど、彼はホッとしたようにやわらかく微笑んだ。
「今、ちょっと笑ってくれたな」
胸がドクンと跳ね上がる。
私、多分今、相手が副社長であることを忘れていた。
彼があまりにも自然体だから、私も自然体になっていたのだ。
そもそもこの人は今、副社長としてではなく、ひとりの人間…水嶋直斗さんとして話をしてくれている。
副社長という色眼鏡で見て勝手に緊張していたら、逆に失礼なのかもしれない。
副社長は少し顔を傾けて微笑む。
何を話せばいいんだろう…
なんだか見合いみたいだと思いながら、手を膝に乗せて背筋を伸ばし、言葉を探した。
「高野明里です。4月5日生まれで、24歳。
えっと、私も母子家庭で育ちました。両親は小学生の時に離婚しています。
A大外国語学部出身で、実家は平塚です」
どうでもいいことまで言っちゃったかな。
すぐに恥ずかしくなったけど、副社長は頬杖をついて2,3度頷いた。
「そうか。お母様は今も平塚に?」
「はい」
「一度出張で行ったことがある。密集した住宅街がカラフルで、海外みたいだよな」
「ふふっ私も初めてみた時は異国に来たのかと思いました」
「あ」
短く言葉を切った彼が口を開いたまま固まって、失礼なことを言ったかと即座に不安が押し寄せる。
だけど、彼はホッとしたようにやわらかく微笑んだ。
「今、ちょっと笑ってくれたな」
胸がドクンと跳ね上がる。
私、多分今、相手が副社長であることを忘れていた。
彼があまりにも自然体だから、私も自然体になっていたのだ。
そもそもこの人は今、副社長としてではなく、ひとりの人間…水嶋直斗さんとして話をしてくれている。
副社長という色眼鏡で見て勝手に緊張していたら、逆に失礼なのかもしれない。


