副社長の一目惚れフィアンセ

帰り道、紗耶と待ち合わせをして、うちの最寄り駅からほど近いカフェへ行った。

帰って来るかどうかもわからないナオをひとりで待ち続けるのはしんどかったから、紗耶が声をかけてくれて正直助かった。

「でも瀬名はうるさいし空気読めないから、今回は誘ってないから」

ドスをきかせる紗耶は腕を組み、目を据わらせている。

喧嘩でもしたんだろうか。とにかく瀬名は今回は来ないらしい。

お店をウチの近くにしてくれたのは、多分ナオから連絡が来たときにすぐに帰れるようにするためだ。

紗耶は何も言わないけど、そんなところにまで気を遣ってくれている。

「…ちゃんと寝れてる?」

「うん、一応…でもいつ帰って来るかわからないから、気になって…」

パスタをフォークにクルクルと巻き付け、パクリと口に運ぶ紗耶。

私は熱々のホットサンドを早速いただく。

「ぷっ。食欲はあるみたいで安心した」

紗耶には笑われたけど、普段より頭を使っているのか、イライラしすぎなせいか、どうもお腹が空くのだ。

「…彼もちゃんと食べられてるといいんだけどね」

「…うん、そうだね」

きっとゆっくり食べる時間なんてないだろうな。

体、大丈夫なのかな…