きゅう、と胸が締め付けられて、なんだか切なくなる。


「優さん、キレイな人ですね……」


「そうだね。

俺にはもったいないくらいの人だったな」


愛おしげな表情を浮かべる先輩はずっと、

優さんのことを思ってる。


「優が死ぬ前に戻れたら……

そればっかり考えちゃうんだ。

時間は戻らないのに、もし戻れたらって……」


先輩は言葉を詰まらせると、

少し経ってから言った。


「出来るものなら変わりたいよ。

本当は優が死ぬよりも

俺が死ぬ方が良かったと思うんだ。


優は強い。

きっと残されてもひとりで生きていける。


でも俺は……」


「先輩……っ!」


先輩がそこまで言った時。

私は春先輩の手を握りしめた。


「私は……っ、

先輩がいなかったら嫌です」