特別な時間……。


最寄りの駅を出て10分くらい歩いた時。

先輩の家のまでやって来た。


「どうぞ、入って」

「お邪魔します」


先輩にそううながされ、中に入ると

ふわりと先輩の匂いが香る。


すぐ目の前には階段がある。



「俺の部屋階段上がってすぐの部屋だから、先行ってて」

「はい……」


返事をして階段を上がる。


どうしよう。

緊張してきたかも。


そわそわしながら先輩の部屋のドアを開けると。


「キレイ……」


とてもシンプルな部屋があった。


必要最低限のものが置かれていなくて、整っている。


中に入っていくとすぐに目に入るのが

先輩の机に置かれている写真立てだ。


そのどれもに先輩の彼女の

優さんが映っている。


優さんの隣で笑う先輩の表情は

とてもキラキラしている。