しれっとそんな事を言うと、
清水くんはじっと私の顔を見た。
「な、なに?」
「橋本って嘘つくの下手だよな」
「な……っ!」
「顔に出てるぞ」
やっぱり清水くんは苦手だ。
出来ればあんまり関わりたくない。
私は開き直って彼に伝えた。
「じゃ、本当余計なことでした」
ふいっとそっぽを向いて、
何も言わずに、帰ろうとすると
彼は真剣な表情で言った。
「待てよ、橋本」
私の腕をとる清水くん。
「離し……っ」
彼はまた真剣に私を見つめた。
「そこには何もねぇぞ」
「何、言って……」
「少しでもそこに何かあるかもしれないって、
期待してるならやめた方がいい」
ぴたり、と足を止める。
「清水くんに私の何が分かるの?」